大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(あ)257 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大野正男、同西田公一の上告趣意は、憲法三一条、三五条、二九条、一三

条違反を主張する。

しかしながら、原判決が挙示の証拠により適法に確定したところによれば、被告

人らが暴行を加えた相手方である警察官は、測量開始以前から本件現場近くにいて、

起業者である東京調達局長所属の同局員らが、昭和二七年法律第一四〇号(昭和三

五年法律第一〇二号による改正前のもの、旧題名日本国とアメリカ合衆国との間の

安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置

法)一四条、土地収用法三五条一項の規定に基いて測量のため本件土地に立入ろう

とするのを拒否する被告人らの行為を現認していたというのであるから、右警察官

は土地収用法三五条一項、三項、一三条、一四三条二号違反の現行犯として、被告

人らを逮捕する権限を刑訴法二一二条、二一三条に基づき有していたのであり、そ

のため本件土地に立入り、かつ逮捕に着手する準備行為として右土地内で行動する

ことも許されていたものというべきである。そうすると右警察官は、適法な公務の

執行中であつたと認めるべきであり、これに対し被告人らが暴行を加えた以上、公

務執行妨害罪は成立するものと解するを相当とする。所論違憲の主張は、右調達局

員らのいわゆる強制立入が、土地収用法上許されないということを前提とするもの

であるが、このような事項は、被告人らの本件警察官に対する暴行の違法性に関す

る判断にはなんら影響を及ぼさないものというべきであるから、結局所論はその前

提を欠くに帰し、上告適法の理由とならない。

弁護人大野正男、同西田公一のその余の上告趣意および弁護人小林直人の上告趣

意は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

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よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四一年五月二六日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 松 田 二 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 岩 田 誠

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